/ 頭部外傷 /
頭痛の原因は何ですか?
何らかの外力が加わって頭部の軟部組織(皮膚、皮下組織)、頭蓋骨、頭蓋内に損傷が起こることを言います。
加わった外力の程度により病態や予後は変わります。軽い打撲と思いこみ、頭部外傷直後は見た目には何も障害がないように見えても、時間が経過してから症状が出てくることがあります。
頭部外傷は甘く見ない!!出来るだけ早期に医療機関を受診しましょう!!
[ 疾患例|慢性硬膜下血腫 ]
脳と頭蓋骨の間に血液がたまる病気です
打撲後、通常1〜2ヶ月の慢性の経過で脳をおおっている髄膜の一つ硬膜の下に血液が溜まることで起こります。頭痛、意欲の低下、物忘れなど認知症と間違われることもあります。
高齢者は転倒・転落の危険性が高く頭部外傷の半数が高齢者と言われています。高齢者の頭部外傷は特に注意が必要です。
子供の頭部打撲について
子供の鈍的な頭部打撲のほとんどは脳に後遺症を残すことはありません。
しかし、打撲直後に症状が何もなかったとしても3〜10%の子供にCTで出血などの外傷による変化が認められることが知られています。1%には入院管理や外科的手術が必要になるケースもあります。
子供のCT検査には被ばくの危険があり、被ばくによって将来、癌や白血病になる可能性が増えるため、頭を打撲した子供全員(特に2歳未満)にCT検査をするかについては、慎重に判断する必要があります。
追記:健康への影響が確認されている被曝量は年間100mSv以上と言われています。
欧米のルールを参考にして判断
日本ではまだ、頭部外傷後どういった場合に画像検査を行うかについて明確なルールがありませんが、欧米の頭部外傷後の臨床診断アルゴリズムPECARNルールなどを参考にして判断するように推奨されています。
[ 当クリニックの方針 ]
成人以上の方は問診・診察の上で必要があれば迅速に頭部CTを撮影し、結果に応じ処置・対応を行います。
また、小児については被ばくリスクも考慮した上でCT撮影を行うかについて総合的に判断します。
当クリニックで採用している最先端の頭部CTは低線量での撮影を可能としており被ばくリスクを低減出来ます。