/ 脳ドック /

当院は一般社団法人日本脳ドック学会
実施施設に登録されています。

自覚症状の出にくい《脳の病気》に対して早期発見と予防を目的とした日本独特の予防医学です。脳に関係する疾患や、疾患リスクを早期発見することを目的に行われる健康診断の一種です。脳ドックでは脳血管障害(脳卒中や脳動脈瘤など)、脳腫瘍、認知症が診断されることがあります。これらを早期に発見することで、必要に応じた対応をとることが可能になります。

脳ドックを受ける利点の一つに生活習慣を見直せる点があります。脳ドックで見つかった危険因子があればそれを踏まえて生活改善することにより、将来の脳血管障害のリスクを低減することができます。

[ 脳ドックの対象となる方 ]

下記のような症状・生活習慣の方に脳ドックをおすすめします

これらの要因は「危険因子」と呼ばれています。危険という言葉がついていますが、
すぐに危ないというわけではなく、将来的に病気になる可能性が高い要因のことを指します。

[ 脳ドックを受診できない
可能性のある方 ]

MRI、MRAは強い磁場で行われるので、場合によっては受診できないケースもあります。
下記のような方は、検査を受ける前に注意点を確認する必要があります。

妊娠中、妊娠の可能性がある方

心臓のペースメーカーなど、体内に埋め込んでいる医療機器がある方

手術などで金属が体内にあると言われている方

刺青(タトゥー)・アートメイクをしている方

閉所恐怖症の方

磁性体のインプラントを埋め込んでいる方

20〜30年以上前に磁性体のクリップで脳動脈瘤手術を受けたことのある方

近年ではMRI検査を受けられることがほとんどですが、確認が必要となる場合があります。

/ 脳ドックで見つかる病気 /

脳ドックで見つかる主な疾患は、症状を起こしていない脳梗塞や微小出血、くも膜下出血の原因となり得る脳動脈瘤、脳腫瘍、頭に血流を送っている頚動脈の狭窄などです。
最近は脳ドックの検査項目に認知機能の精密検査を盛り込んでいる施設も増えてきています。異常が見つかってもすぐに外科的な治療を要するものは少なく、多くは内服治療と言われる内科的な治療、もしくは治療を要せず画像による経過観察で済むものです。不安がらずに担当の先生と以後の方針をよく相談してください。
以下、各疾患について簡単に解説します。

[ 無症候性脳梗塞 ]

画像上脳梗塞の所見があり、その病変に該当する症状がないものを言います。脳梗塞になっても症状がないので日常生活を普通に送っており、脳ドックを受けてはじめてわかるような病変です。多くはラクナ梗塞と言われる小さな脳梗塞です。高齢者の10~20%に認められるとされており珍しいものではありませんが、将来の脳卒中や認知症の危険因子とされています。
治療する場合は抗血小板剤、一般的に血液をサラサラにする薬と呼ばれているものが、将来的な脳梗塞の発症を予防する効果があるとされています。

[ 微小脳出血 ]

脳ドックで見つかるものは症状を起こしていない微小な出血であることが多いです。加齢や高血圧との関連が知られており、高齢者の5~20%、脳梗塞例の30~40%、脳出血例の60~70%に認められます。また、将来的に脳出血や脳梗塞となる可能性が高く、認知機能障害との関連も疑われていますので、血圧など管理が重要となります。


[ 脳動脈瘤 ]

30歳以上の成人において約3%の頻度で認められます。特に高血圧、喫煙、脳卒中の家族歴がある方は注意を要すると言われています。破裂すると、くも膜下出血になりますが、破裂率は決して高くありません。発生している部位や大きさで破裂する率が変わってきますので、治療の要否や時期、方法など、担当の先生と相談してください。
日本人の未破裂脳動脈瘤の破裂率が報告されています。
詳細は下のバナーよりご覧になれます。

[ 脳腫瘍 ]

脳ドックで見つかりやすい脳腫瘍は、髄膜腫や下垂体腺腫、神経鞘腫など良性のものが多く、他には神経膠腫という脳から発生した腫瘍が見つかることもあります。
方針として画像のみで様子をみていく経過観察、手術、放射線治療など種々ありますので、担当の先生と今後どのような方針を選択するかについて、よく相談してください。

[ 頚動脈の狭窄 ]

無症候性で狭窄が強いものがみつかる可能性は3%以下であり、年齢が高くなるほど頻度は増えるとされています。将来的に脳梗塞となる可能性が高いですが、内服治療の進歩により発症の可能性は年間1%未満と低いです。脳卒中だけではなく、心筋梗塞や末梢動脈疾患発症の危険も高いので、内科的な管理が必要になります。高度狭窄病変では外科的治療を要する場合がありますので、担当医とよく相談してください。

/ 当院での脳ドック /

予約制になっています。
お電話でお問い合わせ下さい。

脳ドックは健康保険から対象外とされているため、費用は基本的に自己負担になります。
しかしながら、所属している健康保険組合やお住まいの市区町村から補助金や助成金を受けられる場合があります。
補助、助成に関しても当院に問い合わせしていただければ、お住まいの市区町村が受けることができる補助、助成をお調べしてお答えします。

/ 脳ドックコースのご案内 /

簡易コース(平日午後のみ)

コース 検査時間 費 用 結果説明
簡易コース(平日午後のみ) 40分程度 17,000円(税込) 当日

[内 容]

問診|MRI検査(頭部MRI+頭部MRA)|動脈硬化指数検査(血圧脈波測定)|
その他オプションについては下記のオプション一覧を参照

日曜脳ドック(2024年3月より)

コース 検査時間 費 用 結果説明
日曜脳ドック 30分程度 22,000円(税込) 当日

[内 容]

頭部MRI+頭部MRA+頸部MRA
※追加オプションはVSRAD(脳の萎縮度を測定し早期アルツハイマー型認知症の可能性を診断します。)、CT検査のみ選択可能です。
VSRAD 3,000円 胸部CT 8,000円 腹部CT 8,000円

総合脳ドックコース

コース 検査時間 費 用 結果説明
総合脳ドックコース 60分程度 50,000円(税込) 後日

[内 容]

問診|MRI検査(頭部MRI+頭部・頸部MRA)|胸部レントゲン|心電図|
頸動脈エコー|動脈硬化指数検査(血圧脈波測定)|身体計測|血液検査・尿検査|
認知機能測定|オプション一覧より希望のオプションを2項目追加します

●MRI検査の読影に関しては脳神経外科専門医による読影を行います。また必要に応じて放射線科での読影によるダブルチェックを行います。

オプション一覧


項目 検査内容 この検査で疑われる病気・分かること 金額
認知症リスク検査VSRD
(簡易検査)
脳の萎縮度から認知症の可能性を検査します。MRI検査の一つとして受けられ50歳以上で認知症の疑いのある方におすすめです。 アルツハイマー型認定症 3,000円(税込)
認知症将来リスク予想検査
(詳細検査)
島根大学医学部、滋賀医科大学、株式会社ERISAで共同開発された脳画像解析技術で、人口知能AIによって脳の萎縮の状態を検査し将来の認知症リスクを予測します。 脳のどこが萎縮しているか
同世代集団の中でのあなたの位置
3年後のリスク
(結果レポート、予防方法もお返しします。)
10,000円(税込)
アルツハイマー型認知症リスク遺伝子採血 認知症原因の大半を占めるアルツハイマー型認知症。その原因となるアミロイドβの蓄積に関わっているApoE遺伝子のタイプを調べます。

どのタイプの遺伝子を有しているかを判定します。最も遺伝的なリスクが高いタイプでは12倍リスクが高くなります。日本人の15%程度がε4を保有していると言われており、ε4遺伝子を保有している方はアルツハイマー型認知症のリスクが高くなります。
☆親族がアルツハイマー型認知症の診断を受けている方はおすすめします。
アルツハイマー型認知症 10,000円(税込)
採血ピロリ 【採血】ピロリ菌感染の有無とペプシノゲン(胃粘膜の老化(萎縮)の状態)を調べる検査です。胃がん発症の危険度が判定されます。 胃がん、萎縮性胃炎、食道・胃・十二指腸の潰瘍 3,000円(税込)
男・腫瘍マーカー 男性【採血】AFP、CEA、CA19-9 肝臓、胃、大腸、肺、膵臓 4,500円(税込)
女・腫瘍マーカー 女性【採血】AFP、CEA、CA19-9、CA125 肝臓、胃、大腸、肺、膵臓、卵巣 6,500円(税込)
PSA 【採血】近年、前立腺がんが増加しています。前立腺肥大でも数値が高くなる事があります。 前立腺がん 2,000円(税込)
胸部CT 胸部レントゲン写真では、見つけづらい早期の肺がん、および胸部の異常を見つけます。 肺がん、肺炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症 8,000円(税込)
腹部CT 肝臓がん、胆道がん、膵臓がんなどがないかどうかをみつける検査です。 肝臓がん、胆道がん、肝硬変、胆石、胆嚢炎、大動脈瘤 8,000円(税込)
甲状腺機能検査 【採血】血中のTSH、FT3、FT4を測定。甲状腺機能異常の有無を調べます。 甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症 4,000円(税込)
頸部MRA検査 頸部(首)の血管を撮影する検査です。頸の血管の状態と、動脈分岐部の状態を詳しく調べることができます。 頸動脈狭窄症、脳梗塞の危険度 3,500円(税込)